胸の写真から何がわかるの |
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| 10cm四方の小さな胸の間接写真から何がわかるのだろうか。肺の病気の部分を発見しなければならないのは当然ですが、そのほかにも付随的にいろいろなことがわかります。 週に一度だけは特別に担当の美女が傍らについて、朝早くから読影を手伝ってくれます。この写真の人は何歳の方ですか。過去の写真がありますか、などと聞くと即座に教えてもらえるので助かります。 ある時、一枚の間接写真をみながら、年齢は50歳前後の男性、体重は69Kg、身長165 cmと言ってみると、ぴたりと当てることができました。驚いた顔をしています。さらにもう一枚、もう一枚と調子に乗って、言ってみるとかなりの正解率です。 「どうしてわかるのですか」、よくぞ聞いてくれました。ここから調子に乗って講釈が始まった。男性と女性の違いは細い女性では時には区別が難しいこともあるけれど、乳房、乳頭の有無で区別します。肋骨の軟骨部分が年齢とともに骨に変わり、その形が蟹の爪のようであれば男性、筍状であれば女性、さらに肋軟骨の骨化ははやい人では20歳ころから、一番上の第一肋軟骨から始まり、そして年齢とともに12本ある肋軟骨の下のほうに骨化が現れてきます。また、年齢とともに肺の写りが何となくきたなくなり、動脈硬化によって胸の太い動脈の壁の石灰化や蛇行などが見られれば、年齢を当てる目安になります。 肺の全体的なバランスと大きさから身長を推測して、肩や脇腹の厚さ、皮下脂肪の厚み、骨の太さから体重を類推します。脂肪が多く、横隔膜が下がって肺が押しつぶされているときには内臓脂肪が多く,写真の主の食生活が想像できます。右利きか、左利きかは女性の場合は、大胸筋の発達の違いにより、右利きでは右の乳頭が左よりも高いのが一般的です。喫煙者の肺はある年齢になると肺気腫の傾向がでて、空気を含む量が多く、通常よりも黒っぽく、肺自体もふくらんで拡大して見えてきます。ヘビースモーカーで肺気腫が重症になると皮下脂肪が少なく細身で、首の筋肉が呼吸運動を補うため発達して太く目立って見えることもあります。 そのほか左右の肩の厚みから、力仕事、特に重いものを担ぐ仕事を連想します。鎖骨の骨折からは、転倒事故、柔道、競輪選手などのスポーツとの関連、肋骨が連続して何本も折れていれば、過去の交通事故や転落事故を想像させられます。若く健康な人で心臓が大きければ、マラソンなどの陸上競技、サッカー、バスケット、登山などの激しいトレーニングにより心臓が改造されたものと考えます。この場合は脈拍も恐らくゆっくりなのに違いありません。 さらにドイツの精神医学者クレッチマーの性格論をあてはめると、一般的にやせ型の人は気が細かく、時にクールで自分の世界を持ち、太り気味の人は少しむら気なところがあり、がっしりしていると辛抱強く、少し頑固であるなど、結構当たっているように思う。 たった一枚の胸の写真が、肖像画を見るように、その人の生活習慣や人生を語りかけてくるから面白い。そのうち血液型や星座にも挑戦してみようか |
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Dr.Tessie |